2020/4 ”プロジェクト”を”管理”する”人”

山内 博志

前回、PMBOKを学ぶ意義をご説明しました。(前回の記事はこちら)

では、PM(=プロジェクトマネジャー)とはどんな役割を果たすのでしょうか。その役割を理解することで、自身がPMになった場合だけでなく、メンバーやリーダーとして参画した場合にどのように行動すべきかを掴めると思います。

・プロジェクトとは?管理とは?

ちょっと回り道になりますが、「プロジェクト」「管理」という言葉の意味を説明したいと思います。それぞれ、ちゃんと定義を説明しようとすると、意外と難しいのではないでしょうか?

「プロジェクト」

PMBOKの定義では「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有期性のある業務」となっています。「プロダクト、サービス、所産」とは有形・無形を問いません。システム開発に関わる分野だと、プログラムだけでなく、運用手順なども含まれるようなイメージです。

また、「有期性」があるとは納期が決まっているということです。つまり「プロジェクト」とは、依頼元(=顧客)の求めるモノ(=システムなど)を決められた期間(=納期)までに提供する業務ということになります。

「管理」

「管理」というと、あるメンバーの作業などがスケジュールどおりに進むよう、働きかけるというイメージが湧くと思います。が、PMBOKで「管理」をすべき対象としているのはプロジェクトそのものです。

もう少し深堀すると、プロジェクトの作業状況が計画通りに進んでいるか?今までに出来上がった成果物は、プロジェクトの目的に沿ったものか?ということを「可視化(=目に見える形にする)」し、適切な「判断」を下すことが「管理」ということになります。

・プロジェクトを管理する人

では、今回のテーマであるPMとは何をする人か?を説明します。それぞれの言葉の定義を繋ぎあわせると、「顧客の求めるモノを納期までに提供できるよう、作業の状況や結果を可視化して、その内容をもとに適切な判断を下す人」となります。

可視化するために利用されるのが、前回出てきたWBSや課題管理表等です。

が、これだけでは少し足りません。

プロジェクトのゴールは顧客が設定するので、PMが下した判断が適切なものかを顧客と合意する必要があります。(ゴールを決めた人に相談なしで突き進んだら、問題になりそうなのは明らかですよね)

計画したとおりに進んでいると「判断」した、遅れが発生したが成り行きで取り返せると「判断」した、遅れを取り戻すために追加の予算が必要と「判断」した、それぞれ可視化した情報から考察を導き、関係する作業者と対応を検討し、判断結果を顧客と合意することもPMの役割となります。

この役割を果たすためには、プロジェクトの体制図がとても重要になります。詳細は「プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント」で説明しますが、誰に対策を相談するのか、誰と合意しなければいけないのか、ということが明確になっていないとプロジェクトは最悪の場合、停滞することになってしまいます。

・今回のまとめ

PMの大きな役割は以下の3つです。

>プロジェクトの作業状況を可視化できる状態にする

>可視化された情報からプロジェクトの状況を判断する

>判断した結果をプロジェクト内の関係者と合意する

今回説明した内容から、自分がメンバーとしてプロジェクトに参画している場合でも、作業状況を正確に報告することや、問題があった場合にその原因を把握しておくことはプロジェクトの円滑な運営に貢献できるということを理解していただけたと思います。

・次回のテーマ

今回、何度か「計画」という言葉が出てきました。プロジェクトは事前に計画をたてて進むものです。

次回は、PMBOKの10の知識エリアの1つである「プロジェクト・統合・マネジメント」について、「計画」の重要性と意義を交えてご説明したいと思います。

<参考書籍>図解即戦力 PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりとわかる教科書

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