はじめまして、本社(東京)から初の投稿です。
プロジェクト管理の国際的標準になっているPMBOKについて、ITエンジニアがどのように活用できるか、私の経験や解釈を踏まえて解説していきたいと思います。
・PMBOKとは何者?
細かい説明は今後深掘りしていこうと思いますので、最初は簡潔に。
PMBOK = Project Management Base of Knowledgeの略です。
日本語だとプロジェクト管理の基礎知識体系という意味合いになります。
プロジェクト管理はプロジェクトを成功させるための活動であり、PMBOKはその知識をまとめたものということです。
・PMBOK活用の実際
現在のシステム開発における管理資料の大半は、PMBOKの知識をベースにしていると言っても過言ではありません。
開発の現場に入ったことがある方なら【WBS(Work Breakdown Structure)】を使ったことや見たことがあると思います。
大抵の場合は進捗管理に使われることが多いと思いますが、PMBOKの定義におけるWBSの最も重要な役割は、「プロジェクトで作成すべき成果物を明らかにし、その成果物を作成するために必要な作業を管理できる単位で詳細化する」ことにあります。
成果物明確化と作業詳細化のイメージ
最終的な成果物を完成させるために必要な要素を分解して、例えばプロジェクトの計画書や要件定義書、テスト計画や移行計画が必要であるということを定義するのは、ある工程で作成すべきものが仕上がっているかを確認するために必要です。
もちろん、成果物の定義だけでなく、時間の制約や投入できる人員などの管理も相互に作用します。
PMBOKはそうした相互に作用するプロセスを1つ1つ定義し、どのような関係性を持つかということをまとめています。
・何故PMBOKを学ぶのか
WBS以外にもPMBOKの知識体系がシステム開発の管理資料に多く用いられています。
自分が開発メンバーとしてプロジェクトに参加する場合に、漫然と決まりごとだと割り切って管理資料の更新をするよりも、何故その資料が用いられているのか、更新のルールが設定されているのであればその理由は何か、等を理解できればプロジェクトの全体像に迫ることができます。
プロジェクトの全体像に迫ることができれば、自分の仕事の意味合いを深く知ることができますし、明らかな矛盾点があればそれに気づくことすらできるようになります。
また、自分がリーダーとして数名のメンバーをまとめる場合でも、体系的な管理手法を理解することで、効率的にチーム運営をしていくことが可能になります。
・今回のまとめ
「システム開発に銀の弾丸は無い」と言われるように、PMBOKに書かれていることを忠実に守れば良い、というものではありません。
ただ、これまで先人が積み上げてきた「どういうポイントを気にすれば、プロジェクトを成功させられるか」という知見が凝縮されています。
多くのシステム開発の仕事がプロジェクトとして動いていることを踏まえると、どのような立場であってもPMBOKを知ることで、作業のアウトプットの価値を高めることが出来るということを理解いただけたかと思います。
・次回のテーマ
PMBOKは”プロジェクト”を”管理”するための知識体系と説明しました。
では、”プロジェクト”とはどういう活動を指すのか、”管理”するものは何か、という視点からプロジェクトを管理する人(=プロジェクトマネジャー)の役割を解説していきたいと思います。
<参考書籍>PMBOK 第6版